時代家の新・只今制作中

カテゴリ: Z、技術系のウンチク

こんばんは、なかなか進まないカテゴリですが・・・
やっとネタが溜まりました!今回のお題は・・・・
・・・・バルブシートリングです。
 以前は内燃機加工屋さんにすべてお任せしていた
ヘッドの加工は、現在ほぼ内製化しております。
で、非常に興味深い現象を発見いたしましたのでチョット
エラソウに語ってみようと思います。
 まず、大排気量空冷4気筒・高性能エンジン(40年前)で
あるZ系の最大の敵は・・・・熱(カロリー)ですよね。
現在の日本の交通事情では、常に渋滞との戦いといって
過言ではないでしょう。それを踏まえつつ画像です。
002
お約束のシートリングからプラグホールへ向けてのヘア
ラインクラックです。すでにプラグ穴の70%程まで育って
危険な状態です・・・。これは、かなり以前にも書きましたが
この症状の原因は異常加熱と冷却の繰り返しによるズレ
・・・つまり鉄(シートリング)とヘッド本体の膨張係数の差異
による歪みが原因ではないか?と思うのです。ご存知のよ
うに「鋳ぐるみ」という工法でシートリングが埋まってますので
リング自体に自由度は全くありません。よってこういった力の
逃げやすい場所にクラックが発生するのではないかと思い
ます。で、この仮説の元さまざまなヘッドを加工してきた結果
非常に面白く、納得のできる症状をもう一つ見つけました!
・・・取り敢えず画像です。
003
このシートリングのあたり幅にご注目・・・。上の水色↑の部分
と下のピンク↑部分ではあたり幅が結構違います。・・・やっぱり
ヒートが原因でしょう。このリングが歪んだのか燃焼室の天頂に
向かって大きく引っ張られたのかはわかりませんが、何か異常
があったのは間違いないと思います。では、なぜヒートと言うか
・・・??。答えは国内仕様・・・つまりZ2のヘッドはほぼ100%
この現象が起きてます。今まで米国帰りのZ1では皆無といって
いいです。・・・・今年は当店で複数のZ2をレストアさせて
いただきましたが(持ち込みにて)、全車シートリングの位置が
異常・もしくは複数回のヘッドO・Hによりバルブ面が落ち込み
本来の性能が発揮されていないなど悲惨なものでした。
で、今後この現象は国内で酷使されるZ1に対しても増加する
ハズですので、きちんと修理できるようにいたしました!
 その工程を画像でご紹介いたします!!
まずは古いシートリングの除去からです!
004
スミマセン、画像はCB750K0のヘッドですが・・・Zもこんな感じ
です。専用の刃物でゴ~リゴ~リと削っていきます。ある程度
彫れたらリングを作ります。
008
はめ合い寸法を意識しながら特殊鋼でリングを作ります。
ちなみにSUH系の耐熱鋼は排気側に使えません。…詳しく
教えてもらえませんがバルブリセッションでも起こすのか??
・・・ヘッドに挿入後いつものカッターで成形いたします。
001
いろんなカッターで面取りしながら・・・
002_1
004_1
完成です。ここまでしっかりと手直しをするとホント気持ちが
いいです!当然ですがシムも2.70~2.90といったサイズが
難なくセットできます。
・・・余談ですが、チューニングでよく使用されるGPz1100の
EXバルブは傘径が38φありこのリングをオーバーサイズに
しなければ使えません!過去にこのバルブをノーマルリング
のまま使っていた某有名ショップ(複数)のヘッドを見たこと
ありますが、ありゃ~いけませんパワーなんか
出るわけありませんわ!!バルブの落ち込みってチューンドに
とってタブーのハズですよ!!?リング変えないならせめて
1000Jの37φでいきましょうや!欲張らずに!!
・・・・それましたが・・・今回のウンチクをまとめますと・・・・
空冷大排気量・高性能エンジンのZ系はやはりオーバーヒート
にめっぽう弱い!って事と、やっちまったヘッドも当店は再生
いたします!ってこと。しかも内製工程がほとんどなので費用
も意外とリーズナブル!!(一般的には排気4か所で6万超えとか!)
でも・・・常連サマならご存知の、時代家価格でご奉仕!!もちろん
業者様も大歓迎!!お気軽にお問い合わせください!!
・・・なんか最後はゴリ押し営業みたいでしたが・・・・・。

こんばんは、最近と言いますか・・・チョット前から
いやいや・・・ずーっと昔からZ系のブレーキ鳴きが
あまりに酷くって「ママチャリ」みたいな音がするの!
ナントカシテ!!ってお客様によく頼まれましたが、
その度に、ま~Zのブレーキはこんなモンですからね~。
で誤魔化してました。スミマセン・・・。が、最近やっと
打開策が見出されナント!8・9割が鳴かなくなりました!
(通販の毛生え薬の宣伝みたい)今日はそのシステムと
方法をご紹介します!!(益々あやしい通販みたい!)
 まずは画像をご覧ください・・・。
img20111109
ノーマルキャリパーの分解図です。緑の矢印に注目。
社外品のパッドにはほぼ付いていない防振板です。実は、
このプレートが「肝」だったのです。
 そもそもブレーキ鳴きはパッドのびびり音だ。ぐらいは皆さん
ご存知だと思いますが、今までその原因を探って解決しようと
考えてました。それが大きな間違いだったのです。昔から都市
伝説のように「ノーマルパッドは鳴かない」と言われ続け、セミ
メタルの材質がいけないだのアスベストが鳴かないだのとまぁ
無責任きわまりのないお話を信じてきました・・・。が、原点回帰
して、このチャチな板!こいつを入れてみましょうと実験したところ
V社のセミメタルパッドがピタッと泣き止みました。で、色々調べた
トコロV社(面倒だからベスラです)の15年ほど前の新品を調べたら
この防振板が付属されてました!!
・・・ですが、ココで問題が出てきます。それは・・・下の画像の・・・。
img20111109_1
水色の矢印部分、防振板のずれ止めダボです。社外品にはほぼ
付いていないダボですね。先述の実験時にもこのダボがない為か
条件によっては鳴きがすることもありました。(ごく軽くにぎった時)
・・・で、仲間内のZ乗りやマッハ乗りのオジサンたちから色々情報
収集した結果!最適と思える手法に出会いました!!
img20111109_3
こっから先は有料にしたいぐらいですが、まぁ結果ダメでも責任
取れませんし当店のお客様も悩まれておいでですので・・・。
・・・同業者各位には余り荒稼ぎしないでくださいと釘を
さしておいて。黒矢印のなぞの紙が防振板の代用品です。
こいつを該当するパッドのミゾより若干大きめにカットして
ください。で、パッドグリスを塗ってください。
パッドをはめる時は少しナンギしますが頑張りましょう。
・・・この紙の正体は・・・ガスケット紙です。厚さはお好み
ですがあまり分厚いとタッチがフニャっとします。また、
薄いと長く持ちません。中間の厚さが良いようです。また
水色の矢印部分ですがこの部分はパッドが保持されて
かつスライドする部分なのですが、ココをきれいにサンド
ペパーなどでナラシてください。ホントはバフ仕上げ
みたいなのがいいです。ピストンに押される時引っかかり
なくパッドが出るようにローター面に対して
なるべく斜めにならないようにする為の処置です。
余談ですが先輩のうどんや号は1年以上問題なく
イケてるみたいです。距離は私の学生時代並みに
乗ってるとおもいます。フルブレーキはしょちゅう
してます。純正ダブルのZ2で最新型やフルカスタム
より急制動します(笑)
・・・あんまりお金掛からないし皆さんも試してみては
如何ですか?結構良いですよ!!


こんにちは、今回は慣らし運転の仕方・意味
重要性を述べてみようと思います。
 これから納車のお客様や空冷大排気量車の
方々に是非知っていただきたいと思います。
なお、これからお話しすることは私の経験や見聞
が元になってます。

1、慣らし運転の仕方。
・距離200キロまでエンジン回転数3000rpmを上限に
運転をする。続いて距離500キロまで5000rpmです。
それ以上は節度をもって回してください。
・できるだけ市街地を避け流れの良い郊外などを
巡航運転するのが望ましい。
・開かずの踏み切りや長い信号待ち等はエンジン停止
をオススメします。
・外気温35度以上などの時は特に気を使いましょう。
・空冷エンジンはトップギア80KMがもっとも冷却効率が
良いと思われます。

2、禁止行為・これをやったらリングがパー!
---以下はナラシが終了した方々や最新空冷大型車の
方々にも共通します。-----

・意味の無い真夏の暖気。30秒程度を目安に走り出し
てしまいましょう!ただし最初の2キロ程度は「暖機運転」
で、回さず・負荷をかけずにいたわって行きましょう。
・エンジンかけっぱなしで「オレのバイクかっこい~」と
見とれるのは厳禁です!!ましてや無意味なレーシング
(空ぶかし)はもってのほか。
・油温計でオイルキャップにつけるタイプを当てにして安心しない。
Z系ではセンサー部分にオイルはつきません。内部の空気温度
しか測れてません。アレは「てんぷら」の時にでも使いましょう。
img20100718

 
・・・まあ旧車屋さんも売らなきゃイカンからイイも悪いも無く
売っちゃいますからね~。部品のオススメやそうでないもの
は少しづつお話します。

3、やっていただきたい事
・走り出して200キロ行きましたらオイル交換です。
それも走って油温を上げてから熱いうちに!
・500キロでエレメント・オイルの両方交換・なお、
ナラシ中のオイルは安いもので結構です。
おまけにカムチェーンも張りましょう。
・1000キロで再度オイル交換。カムチェーン張り。
・ひょっとしてヒートさせてしまった??と思ったら
迷わずオイル交換してください。オイルの種類に
より違いがありますが油温120度~130度ほど
で分子構造が崩壊して潤滑性能が低下してしまいます。

4、まとめ・・。
・慣らし運転を失敗するとピストンリングがダメになります。
煙が出るのをとめるだけならリング交換だけでよっぽど
とまりますが、バルブやシートにも当然ダメージがきます。
車種により違いがありますがCB750Kなんかはパワーが
グっと落ちるみたいです。KシリーズのヘッドはO/Hして
ないものは全然シートに当たってないのが多いみたいです。
あれでもアイドリングしてるから流石と言うかいい加減
というか・・・。最新(XJR1200やZEP1100)なんかもバルブ
周りはめちゃくちゃ痛んでます。まぁ空冷の宿命ですが・・。
・・・コレから真夏ですがオーバーヒートにご注意を!!

こんにちは、じめっとイヤな日が続きますね。
日ごろは作業報告の合間にちょっとしたウンチク
をタレテますが、意外と反響があって「もっと
タレてよ!」のリクエストにお答えいたします。
 最初にお断りしておきますが、これらは当店
独自の検証・判断・見解・によるものです。
したがいまして、他社・他店の技術的見解を否定
するものではありません。あくまでも「つぶやき」
程度でおねがいします。
 で、本日はエンジン関係から・・・。
img20100627
 バルブガイドです、吸気・排気関係なく材質のお話。
一番手前、金色のモノが非鉄合金です。写真のモノは
社外品で(おそらくシリコンブロンズ?)、K純正のZ1
の品番で発注すると砲金できます。どちらも柔らかくて
鉄との相性は良好です。ただし柔らかい為に磨耗は
早く耐久性に劣ります。
img20100627_1
 
 真ん中のはK純正のZ系後期モデルの純正、鋳鉄製
です。そのお隣がリプロ鋳鉄ガイドです。黒っぽく見える
のは表面にフッ素処理がされてる為です。K純正はさすが
いいものだ!と思いたいのですが、外径がSTDと同径の為
交換して緩い場合どうにもなりません。現実的に結構だめな
場合があります。そこでフッ素処理分だけ太くなったリプロ
が使えたりします。が・・・それでダメな場合は・・・当店の
内燃気屋さんはS社のF5Aのガイドを加工して使います!
H社の同等ガイドは焼結合金らしいのですが・・・・使えるの
かな?高いのかな?

 結論・当店オススメはリプロ鋳鉄。それでダメならF5Aの
加工品!!です。ステムシールは純正でもOKですが手配
できればF5Aのシールで行きましょう(1個400円ぐらい)
ちなみにP社の強化シールなるものはコレのはず(8400円
/8個セット)H社のだと出来がいいみたい。

 つぎは。。カムチェーンのお話!この辺はイロイロなショップ
さんやらメーカーさんが絡んだお話になりますので・・・・。
慎重に行きますね!!
 まずは写真をどうぞ!左が強化チェン・右はK純正です。
img20100627_2

 
チョット分かりづらい画像ですが、左のプレートが右より
厚くなっているのが分かると思います。ココが「強化」なる
部分ですが・・・画像の下側、アイドラーとのかみ合わせを
ご覧ください。わかりにくいですが、カミあわせが???で
ゴムの部分に相当食い込んでます。つまり純正アイドラーと
のマッチングが悪いのです!コレではプラゴムのアイドラー
やローラーをガッタガタにしてしまいます。で・・・登場するの
が社外「強化」アイドラー!全部買うと8万円ぐらいだったかな
・・・・・・もう、なんだかなぁ!!てお話です。だったら最初
から純正カムチェーン使えよ!!ってこと。

 追伸ですがこのお話の出所はD・I・Dの社員さんからでした。
強化カムチェーンなるモノはレーシングカート用のらしく、偶然
はまったモノですって。PL法やらなんやらあるので是非純正を
とのコトでした。

 今回からウンチクシリーズをはじめてみましたが、評判悪
かったらすぐ止めます・・・(いろんな人にいじめられたらネ)
また、カテゴリ分けもこれからしていきますので・・・・。
よろしくお願いします!!

このページのトップヘ