時代家の新・只今制作中

2010年07月

こんにちは、今回は慣らし運転の仕方・意味
重要性を述べてみようと思います。
 これから納車のお客様や空冷大排気量車の
方々に是非知っていただきたいと思います。
なお、これからお話しすることは私の経験や見聞
が元になってます。

1、慣らし運転の仕方。
・距離200キロまでエンジン回転数3000rpmを上限に
運転をする。続いて距離500キロまで5000rpmです。
それ以上は節度をもって回してください。
・できるだけ市街地を避け流れの良い郊外などを
巡航運転するのが望ましい。
・開かずの踏み切りや長い信号待ち等はエンジン停止
をオススメします。
・外気温35度以上などの時は特に気を使いましょう。
・空冷エンジンはトップギア80KMがもっとも冷却効率が
良いと思われます。

2、禁止行為・これをやったらリングがパー!
---以下はナラシが終了した方々や最新空冷大型車の
方々にも共通します。-----

・意味の無い真夏の暖気。30秒程度を目安に走り出し
てしまいましょう!ただし最初の2キロ程度は「暖機運転」
で、回さず・負荷をかけずにいたわって行きましょう。
・エンジンかけっぱなしで「オレのバイクかっこい~」と
見とれるのは厳禁です!!ましてや無意味なレーシング
(空ぶかし)はもってのほか。
・油温計でオイルキャップにつけるタイプを当てにして安心しない。
Z系ではセンサー部分にオイルはつきません。内部の空気温度
しか測れてません。アレは「てんぷら」の時にでも使いましょう。
img20100718

 
・・・まあ旧車屋さんも売らなきゃイカンからイイも悪いも無く
売っちゃいますからね~。部品のオススメやそうでないもの
は少しづつお話します。

3、やっていただきたい事
・走り出して200キロ行きましたらオイル交換です。
それも走って油温を上げてから熱いうちに!
・500キロでエレメント・オイルの両方交換・なお、
ナラシ中のオイルは安いもので結構です。
おまけにカムチェーンも張りましょう。
・1000キロで再度オイル交換。カムチェーン張り。
・ひょっとしてヒートさせてしまった??と思ったら
迷わずオイル交換してください。オイルの種類に
より違いがありますが油温120度~130度ほど
で分子構造が崩壊して潤滑性能が低下してしまいます。

4、まとめ・・。
・慣らし運転を失敗するとピストンリングがダメになります。
煙が出るのをとめるだけならリング交換だけでよっぽど
とまりますが、バルブやシートにも当然ダメージがきます。
車種により違いがありますがCB750Kなんかはパワーが
グっと落ちるみたいです。KシリーズのヘッドはO/Hして
ないものは全然シートに当たってないのが多いみたいです。
あれでもアイドリングしてるから流石と言うかいい加減
というか・・・。最新(XJR1200やZEP1100)なんかもバルブ
周りはめちゃくちゃ痛んでます。まぁ空冷の宿命ですが・・。
・・・コレから真夏ですがオーバーヒートにご注意を!!

最近お客様より問い合わせが非常に多い
ので当店の標準的なレストア内容を記します。

-----------エンジン部門------------
・クランクケースブラスト後ペイント又はウエット
ブラスト。
・エンジンカバー類バフがけ
・ピストン0.5もしくは1.0オーバーサイズ純正タイプ交換
*ピストンピン、ピストンリングも新品です。
・バルブ新品(リプロ)交換
・バルブガイド入れ替え(リプロまたはオリジナル
鋳鉄ガイド)
・バルブシートカット及びすり合わせ。
・ミッションベアリング点検交換。ただし、2ND
シャフトベアリング(スプロケの奥)は全数交換。
・クラッチについては規定外は新品交換、
ハウジングはバックスプリングのみ点検交換。
・カムチェン純正新品交換
・オイルシール新品交換
・バルブステムシール新品交換
・アイドラーテンショナー類純正新品交換
・その他スタッドボルト及びボルトナットは点検交換
新品もしくは再めっき使用。


----------フレーム及び車体関連---------
・フレーム測定及び修正
・ブラスト仕上げ後ウレタンペイント
(イサム・ハイアート)小物類(バッテリーケースなど)
は粉体塗装。
・ブレーキマスター純正リペアキットにてリビルト後
ガンコート仕上げ。
・ブレーキキャリパー純正シール+リプロピストン
にてリビルト後塗装。ボディ本体が腐食にて使用不可能
な場合はリプロ新品に交換。
・ブレーキホース及びパイプ、リプロ又は再めっきに交換。
・ローター、インナーペイント及び表面研磨。
使用限度を超過の場合リプロ新品に交換。
・スポーク及びリム新品交換(D・I・Dノーマルサイズ)
・タイヤ、チューブ、フラップ新品交換(ダンロップF11・K87)
・チェーン及びスプロケット新品交換(エヌマ630)
・フロントフォーク、シール・ダストブーツ・インナーチューブ
新品交換。
・リアサスペンション、リプロ新品交換。
・ハンドル、リプロ新品
・ほか修復不能なパーツについてはリプロ新品又は
当店ストック又は純正新品で製作。
・ステムベアリング、コーン・レース・ボール新品交換。
・スイングアームブッシュ、リプロ交換。

ざっとこんな感じです。単刀直入に部品代・外注加工費
その他雑費でおおよそ90万円超えです。正直あんまり
利益ありません!内訳は・・・・。

ベース車・・・・・・・550000円
部品・外注費・・・900000円超
諸経費・・・・・・・約30000円
-----------------------------
合計・・・・・・・・・1480000円

コレを当店の販売額から引くと・・・・
ウチの利益が・・・あぁ・・・ってカンジ。
 好きじゃないとできない価格設定かな~。
そりゃイロンナ意味で同業者から嫌われますよね!

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