時代家の新・只今制作中

カテゴリ: Zのレストア内容

こんばんは、お題にもありますが今回はお問い合わせ
多数のレストア内容や当店の方針と考え方を今一度・・。
 今年も多数の作業依頼をいただき有難うございます。
初めてのお客様や遠方からのお問い合わせが多数あり
ましたのでそれらの疑問・質問にお答えします。
Q・・・・なぜレストア費用が安いの??
 一番多い質問です。当店を選んでいただいたお客様の
ほぼ100%が他店様との相見積もりや比較をされてると
思いますが、この疑問の回答にたどり着く近道はご来店
頂くことだと思います。ですが、遠方だから見れません!
という声にお応えして画像付きで説明いたします。
       最小限の外注費用で・・・。
この事こそレストア専門で販売してきた当店の答えです!
まず、内製と外注の差額例をご紹介します。
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こちらは当店の塗装ブースです。ここで紛体とウレタンを吹き
ます。使用機械は「GEMA」の紛体塗装機です。普通に導入
すると百ン万円します・・・。で、この作業自体を外注さんに
すべてお任せしますとフレーム&小物でおおよそン万超えで
これにバイク屋さんの利潤を入れると10万円は超えていきます
当然ブラスト込ですが・・・。
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お次はエンジン部門バルブ編です。こちらの機械はバルブ
研磨機と言い、バルブフェース(当たる部分)を砥石で整える
作業とステムエンド(カムに押される部分)を整えるモノです。
一般に内燃機屋さんに依頼すると一本千円~の請求が
きます。それに利潤を入れるとおおよそ1.5千円~2千円ぐらい
になります。8バルブで1.6万円程度でしょうか・・。
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お約束の旋盤です。主にオリジナルガイドを製作したりバルブ
のステムエンドを切り落としたりします(セット寸法合わせ)。
この作業を外注さんに頼むとガイドとセット寸法合わせで8バルブ
で1.6万円~です。もちろん内燃機屋さんによって高い安いは
ありますが・・・。利潤入れると3万円以上になりますね~。
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 バルブガイドの入れ替えです。この作業は特殊な機材を必要と
しませんが、熟練のカンや慣れが必要です。伝票価格は一台分
で1.6万円~です。
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シートカット(ガイド交換時のセンタリング)作業です。当店はMIRA社
の3面カッターを使用いてます。一台分で2.4万円程度でしょうか?
・・・・このあたりから外注費用は割愛させていただきます・・・
業界から追放されかねませんので・・・。
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再めっきです。この作業は基本的にすべて外注ですが丸投げの
依頼はしません。つまり再めっきの工程には旧メッキ剥離→バフ研磨
→メッキ付けの大まかに3工程あります。これをメッキ屋さんに丸投げ
の依頼をすると1.5倍から2倍以上の上乗せで請求が来ます!
中には良心的なメッキ屋さんも見えますが残念ながら愛知県内では
もう存在しません。
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補修のためのアルゴン溶接機です。簡単なフィン欠けや穴埋めに
使ってます。この作業は費用抑制よりも時間短縮でしょうか・・・。

・・
・・・
・・・・・・つまり、外注費用がかさむと言うことは当然そこに利潤を
乗っけて請求書を作らなければいけないので、結果レストア費用
が大きく膨らんでしまうということですね。
 もう何年も前ですが、自分が独立したての頃に何とか安くて調子
よくてキレイなZはできないものか・・・って毎日考えてました。その
結果今のスタイルになっただけのことです。当時は今よりお客様に
近い考えと目線を持っていましたのでそう考えたのでしょう。
・・・もちろん今でもその考えは変わっていませんが、歳とともに頑固
で融通の利かないオヤジになりつつあるような・・・気を付けます。
 

こんばんは、今週は2本立てで参ります。理由は簡単!
ウチの家内に「マンネリ化」と指摘されて本人としても反省
した結果です。と言っても新鮮なネタなんぞあるわけがなく
思い悩んだのですが時代家の日常でどうかな~って。
来店できる常連様は私や工場長の「ボケ・ツッコミ」や作業
してるトコをフツーに見てると思いますが、ブログの常連様には
ちっともわからなくて何時もアリのように働いているだけで
楽しくなさそうに見えていたりして・・・。チョット心配です。・・・
実は結構キリギリスしてたりします。今回は少しですがうんちく
を入れた作業風景をご紹介します。後半はどうでもいいと思い
ますが・・
 まずは再めっきの下準備やらなんやらです~。
・・・・・
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クロームメッキ部品のモロモロですが・・・赤錆にやられて見るも
無残な状態です。・・・40年たってますからね~。で、この状態
からまずはクローム層をブラストで剥離します!ここで読者の
皆様!特に同業者の諸氏にアドバイス。ふつうのブラストシス
テムですと吸い上げ式ですので連続使用による圧力の低下に
ご注意ください!バフ屋さん曰く「表面に傷がついてるだけで
クロームが剥がれてない」って場合が多いらしいのです!ウチは
直圧式ですのでその点は確実です!で・クロームが剥がれたら
バフモーターで仕上げていきます~
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この時に研磨剤でニッケル層をはがして表面をつるっとさせてます
これをサボると残念な仕上がりになります!!
左の籠が研磨前(ブラスト仕上げ)、右の籠が研磨後です。ちょっと
わかりづらいですが・・・
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地味でツラーい研磨の仕事ですが・・・こんな風に↓仕上がるなら
頑張ります!
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補足説明ですが、小物以外(ボルト類)の大物部品はプロの研磨屋
さんで仕上げていただきました!自分たちにはできませ~ん!
 お次はヘッドのリビルトです!こちらも全部を自分たちがやるのでは
なく、半分以上は内燃機屋さんにお任せするのですが・・・空いた時間
でやっちゃう事もしばしばです。
・・・まずは、バルブガイドのうち抜きから~。マニアの方はご承知と
思いますが、ストーブでガンガンに熱して抜きます。が、仕事をさらに
やり易くするためまずはドリルでガイドをもみます~。
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ノーマルガイドは砲金製なのでドリルの食い込みに注意して・・・。で
お約束のストーブ登場~!
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びっくりするぐらいアッチチになったら~!
エイッっとばかりに打ち抜きますで、挿入も同じようにアッチチの状態で
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カンカンカン・・キン!と打ち込みます。これを繰り返して完成です~
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とーっても簡単にですがガイドうちかえの流れでした!この後例の
シートカッターでセンターを出してあたり面を整えていきます!
実際はガイドのうち替えよりそっちのが面倒なんですよね~。
・・・ちなみにこのヘッドは春日井のSさまのでした!!
こんな感じで毎日の作業をしてます!よかったら覗いてみてください!
あんまり愛想よくないかもしれませんが!!
で・・・どうでもいい作業報告!ブースの2階を物置にしました!
顧問大工は「重いもの乗せんなよ!」って言ってましたが乗せたく
なるのが人情って奴でして・・・作ってしまいました!
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階段です!!目指しましたよ!階段もかけれるバイク屋さん!!
楽しくお仕事いたしました!!・・・省スペースで作ったので急こう配
なのは避けれません!降りるときには恐怖です!!
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突入角度60度!!こりゃあ階段じゃなくってハシゴですね!
・・・こんな感じで楽しんでお仕事しております!・・・ちょっとづつ
こんな報告もできればいたしますのでよろしくおねがいします!
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こんにちは、技術面やレストアの内容・こだわり
などを少しづつご紹介いたします。いつもエンジン
関係が多いのですが、車体も意外とウンチクできたり
出来なかったり・・・。
 今回は1番最初に手をつけるステムベアリングを
チョットだけ説明いたします。
 まずはじめに従来のベアリングをぬいてしまうのですが
写真のようなテーパーローラーですとちょっと厄介です。
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もともとZのフレームはこの類のレースが入るように設計
されてませんのでフレーム側を加工して挿入しないと後々
外す事ができなくなります。でも・・・ほとんどの場合そんな
加工をせずに打ち込んであります・・・。そこで特殊工具の
出番です。
img20100801_1
 上側真ん中にあるのがソレですが・・。で、めでたく抜けたら
打ち込みですが、その作業もベアリングドライバなる特殊工具
で行います。右にあるイロンナ大きさの丸いやつです。
 まぁ加治屋さんみたいにカンコンキンコンやって終了です。
img20100801_2
 
最終的にはこんな感じで仕上がります。きれいになって安心
です。
 あと、こだわりって訳じゃないのですが必ずウレアグリスを
使います。「当たり前!」って思われる方も多いと思いますが
・・・。いいか悪いかは?です。
 もうひとつ大切なのが鉄球です。必ず交換します。見た感じが
キレイでも表面は意外と傷んでます。
コーンレースが新品なのにこいつが中古では意味がありません。
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最近お客様より問い合わせが非常に多い
ので当店の標準的なレストア内容を記します。

-----------エンジン部門------------
・クランクケースブラスト後ペイント又はウエット
ブラスト。
・エンジンカバー類バフがけ
・ピストン0.5もしくは1.0オーバーサイズ純正タイプ交換
*ピストンピン、ピストンリングも新品です。
・バルブ新品(リプロ)交換
・バルブガイド入れ替え(リプロまたはオリジナル
鋳鉄ガイド)
・バルブシートカット及びすり合わせ。
・ミッションベアリング点検交換。ただし、2ND
シャフトベアリング(スプロケの奥)は全数交換。
・クラッチについては規定外は新品交換、
ハウジングはバックスプリングのみ点検交換。
・カムチェン純正新品交換
・オイルシール新品交換
・バルブステムシール新品交換
・アイドラーテンショナー類純正新品交換
・その他スタッドボルト及びボルトナットは点検交換
新品もしくは再めっき使用。


----------フレーム及び車体関連---------
・フレーム測定及び修正
・ブラスト仕上げ後ウレタンペイント
(イサム・ハイアート)小物類(バッテリーケースなど)
は粉体塗装。
・ブレーキマスター純正リペアキットにてリビルト後
ガンコート仕上げ。
・ブレーキキャリパー純正シール+リプロピストン
にてリビルト後塗装。ボディ本体が腐食にて使用不可能
な場合はリプロ新品に交換。
・ブレーキホース及びパイプ、リプロ又は再めっきに交換。
・ローター、インナーペイント及び表面研磨。
使用限度を超過の場合リプロ新品に交換。
・スポーク及びリム新品交換(D・I・Dノーマルサイズ)
・タイヤ、チューブ、フラップ新品交換(ダンロップF11・K87)
・チェーン及びスプロケット新品交換(エヌマ630)
・フロントフォーク、シール・ダストブーツ・インナーチューブ
新品交換。
・リアサスペンション、リプロ新品交換。
・ハンドル、リプロ新品
・ほか修復不能なパーツについてはリプロ新品又は
当店ストック又は純正新品で製作。
・ステムベアリング、コーン・レース・ボール新品交換。
・スイングアームブッシュ、リプロ交換。

ざっとこんな感じです。単刀直入に部品代・外注加工費
その他雑費でおおよそ90万円超えです。正直あんまり
利益ありません!内訳は・・・・。

ベース車・・・・・・・550000円
部品・外注費・・・900000円超
諸経費・・・・・・・約30000円
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合計・・・・・・・・・1480000円

コレを当店の販売額から引くと・・・・
ウチの利益が・・・あぁ・・・ってカンジ。
 好きじゃないとできない価格設定かな~。
そりゃイロンナ意味で同業者から嫌われますよね!

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