時代家の新・只今制作中

こんばんは、なかなか進まないカテゴリですが・・・
やっとネタが溜まりました!今回のお題は・・・・
・・・・バルブシートリングです。
 以前は内燃機加工屋さんにすべてお任せしていた
ヘッドの加工は、現在ほぼ内製化しております。
で、非常に興味深い現象を発見いたしましたのでチョット
エラソウに語ってみようと思います。
 まず、大排気量空冷4気筒・高性能エンジン(40年前)で
あるZ系の最大の敵は・・・・熱(カロリー)ですよね。
現在の日本の交通事情では、常に渋滞との戦いといって
過言ではないでしょう。それを踏まえつつ画像です。
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お約束のシートリングからプラグホールへ向けてのヘア
ラインクラックです。すでにプラグ穴の70%程まで育って
危険な状態です・・・。これは、かなり以前にも書きましたが
この症状の原因は異常加熱と冷却の繰り返しによるズレ
・・・つまり鉄(シートリング)とヘッド本体の膨張係数の差異
による歪みが原因ではないか?と思うのです。ご存知のよ
うに「鋳ぐるみ」という工法でシートリングが埋まってますので
リング自体に自由度は全くありません。よってこういった力の
逃げやすい場所にクラックが発生するのではないかと思い
ます。で、この仮説の元さまざまなヘッドを加工してきた結果
非常に面白く、納得のできる症状をもう一つ見つけました!
・・・取り敢えず画像です。
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このシートリングのあたり幅にご注目・・・。上の水色↑の部分
と下のピンク↑部分ではあたり幅が結構違います。・・・やっぱり
ヒートが原因でしょう。このリングが歪んだのか燃焼室の天頂に
向かって大きく引っ張られたのかはわかりませんが、何か異常
があったのは間違いないと思います。では、なぜヒートと言うか
・・・??。答えは国内仕様・・・つまりZ2のヘッドはほぼ100%
この現象が起きてます。今まで米国帰りのZ1では皆無といって
いいです。・・・・今年は当店で複数のZ2をレストアさせて
いただきましたが(持ち込みにて)、全車シートリングの位置が
異常・もしくは複数回のヘッドO・Hによりバルブ面が落ち込み
本来の性能が発揮されていないなど悲惨なものでした。
で、今後この現象は国内で酷使されるZ1に対しても増加する
ハズですので、きちんと修理できるようにいたしました!
 その工程を画像でご紹介いたします!!
まずは古いシートリングの除去からです!
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スミマセン、画像はCB750K0のヘッドですが・・・Zもこんな感じ
です。専用の刃物でゴ~リゴ~リと削っていきます。ある程度
彫れたらリングを作ります。
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はめ合い寸法を意識しながら特殊鋼でリングを作ります。
ちなみにSUH系の耐熱鋼は排気側に使えません。…詳しく
教えてもらえませんがバルブリセッションでも起こすのか??
・・・ヘッドに挿入後いつものカッターで成形いたします。
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いろんなカッターで面取りしながら・・・
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完成です。ここまでしっかりと手直しをするとホント気持ちが
いいです!当然ですがシムも2.70~2.90といったサイズが
難なくセットできます。
・・・余談ですが、チューニングでよく使用されるGPz1100の
EXバルブは傘径が38φありこのリングをオーバーサイズに
しなければ使えません!過去にこのバルブをノーマルリング
のまま使っていた某有名ショップ(複数)のヘッドを見たこと
ありますが、ありゃ~いけませんパワーなんか
出るわけありませんわ!!バルブの落ち込みってチューンドに
とってタブーのハズですよ!!?リング変えないならせめて
1000Jの37φでいきましょうや!欲張らずに!!
・・・・それましたが・・・今回のウンチクをまとめますと・・・・
空冷大排気量・高性能エンジンのZ系はやはりオーバーヒート
にめっぽう弱い!って事と、やっちまったヘッドも当店は再生
いたします!ってこと。しかも内製工程がほとんどなので費用
も意外とリーズナブル!!(一般的には排気4か所で6万超えとか!)
でも・・・常連サマならご存知の、時代家価格でご奉仕!!もちろん
業者様も大歓迎!!お気軽にお問い合わせください!!
・・・なんか最後はゴリ押し営業みたいでしたが・・・・・。

こんにちは、久しぶりに第二回となるマニアなお話です。
あまりお話したくないカテゴリなのですが、なぜあえて
このお題をUPするのか・・・また、なぜあまりお話したく
ないのか、順番にお話ししてまいります。
 まず、お話したくないのは何故か・・・。マニアが増えすぎ
るのが怖いからです。皆さん的には「時代家さん儲かるじゃん」
とお思いでしょうが当店としてはなにも嬉しくないのです。
オートバイは例え旧車でも機械であり、乗り物である。と言う
のが当店の考え方であり、決して「掛け軸」や「絵画」と言った
骨董芸術品ではないからです。
 ・・・いきなり堅苦しく始まりましたが、なぜお話しするかは
また後ほど述べますね。では・・・マニアな世界の始まり~・・。
 今回は初期型とか後期型とかの区別ではなくオリジナルとか
当時モノとかを意識していきます!
・・・まずはフロントフェンダーから。
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少しわかりにくいですが・・・・左が当時モノ再めっきフェンダーです。
右は川崎純正の現行新品部品です。お分かりでしょうか・・・
フェンダーのエッジの曲げに違いが出ております。現行新品はプレス
ラインが少し緩くなっております。恐らく金型のヘタリではないかと
考察します。
 続きましてリアフェンダーです。
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先程と同じく左が当時モノ・右が現行品です。
やはりプレスラインに違いが出てきております。非常に細かい
お話ですが…・。
 ドンドン行きます!ライトステーです!こちらはド初期の
モノではありません。後期型のステーですが良くできた
リプロにはない違いと当時モノではない純正部品との違い
です。
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わかりにくいですが、数字の刻印が打ってあります。恐らく
製造年月に関係すると思いますが定かではありません。
また、ウインカーステーのつくひし形の穴付近のスポット
溶接位置もリプロ品と違ってます。
 お次はリムです。ここの部分は意外と知られておりますが
あえてご紹介します。

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いわゆる「タカサゴ 303」と言われるシロモノですが、3Hと
打ってあるコトで73年製造となります。Hが月と言われてま
おりますがはっきりわかりません。高砂の製造月と川崎に
納入する時期が一致するとは限りませんしね。ちなみに
750ss(h2)の初期には(71’)この刻印がないものも
あります。
エアクリーナBOXです。
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左が72’のエアクリーナーです。右は後期です。一般的に
右のものが多数ですが・・・違いは三角形の補強リブが縦長
か横長かの違いです。
 フロントフォークボトムケースです。これはあまりにも有名に
なりましたね。
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ご存知72’かまぼこフォークです。といっても5千番代にもついて
ましたから73’1月までですね。もちろんZ2には付きませんよ・・。
 で、73’初期(8月ごろ)までがいわゆる中期型です。
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左が中期・右が後期です。違いはリフレクターで隠れる部分が
違います。・・・見えなくなります・・・ハイ。あとは外見一緒なので
判りません。裏側とかジロジロ見ればわかりますが・・・。
・・・あぁ疲れた・・・。今回は以上です・・・・。
 最後の辺り記事書き込んでて思わず「どうでもいいじゃん」
と呟いてしまいました。では何故この記事を書いたの?
答えは、現在持ち込みレストアでご依頼頂いておりますお客様
からのご質問に対する回答と言った意味とたまにはこのカテを
書こうと行ったところからです。
 Z2レストアご依頼のSさま、如何でしょうかこんな感じでこだわり
レストアを進めてます。が、あまりコアなマニアには・・・ね、だって
750RSに初期型パーツはあんまりついてませんから~。



こんばんは、お題にもありますが今回はお問い合わせ
多数のレストア内容や当店の方針と考え方を今一度・・。
 今年も多数の作業依頼をいただき有難うございます。
初めてのお客様や遠方からのお問い合わせが多数あり
ましたのでそれらの疑問・質問にお答えします。
Q・・・・なぜレストア費用が安いの??
 一番多い質問です。当店を選んでいただいたお客様の
ほぼ100%が他店様との相見積もりや比較をされてると
思いますが、この疑問の回答にたどり着く近道はご来店
頂くことだと思います。ですが、遠方だから見れません!
という声にお応えして画像付きで説明いたします。
       最小限の外注費用で・・・。
この事こそレストア専門で販売してきた当店の答えです!
まず、内製と外注の差額例をご紹介します。
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こちらは当店の塗装ブースです。ここで紛体とウレタンを吹き
ます。使用機械は「GEMA」の紛体塗装機です。普通に導入
すると百ン万円します・・・。で、この作業自体を外注さんに
すべてお任せしますとフレーム&小物でおおよそン万超えで
これにバイク屋さんの利潤を入れると10万円は超えていきます
当然ブラスト込ですが・・・。
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お次はエンジン部門バルブ編です。こちらの機械はバルブ
研磨機と言い、バルブフェース(当たる部分)を砥石で整える
作業とステムエンド(カムに押される部分)を整えるモノです。
一般に内燃機屋さんに依頼すると一本千円~の請求が
きます。それに利潤を入れるとおおよそ1.5千円~2千円ぐらい
になります。8バルブで1.6万円程度でしょうか・・。
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お約束の旋盤です。主にオリジナルガイドを製作したりバルブ
のステムエンドを切り落としたりします(セット寸法合わせ)。
この作業を外注さんに頼むとガイドとセット寸法合わせで8バルブ
で1.6万円~です。もちろん内燃機屋さんによって高い安いは
ありますが・・・。利潤入れると3万円以上になりますね~。
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 バルブガイドの入れ替えです。この作業は特殊な機材を必要と
しませんが、熟練のカンや慣れが必要です。伝票価格は一台分
で1.6万円~です。
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シートカット(ガイド交換時のセンタリング)作業です。当店はMIRA社
の3面カッターを使用いてます。一台分で2.4万円程度でしょうか?
・・・・このあたりから外注費用は割愛させていただきます・・・
業界から追放されかねませんので・・・。
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再めっきです。この作業は基本的にすべて外注ですが丸投げの
依頼はしません。つまり再めっきの工程には旧メッキ剥離→バフ研磨
→メッキ付けの大まかに3工程あります。これをメッキ屋さんに丸投げ
の依頼をすると1.5倍から2倍以上の上乗せで請求が来ます!
中には良心的なメッキ屋さんも見えますが残念ながら愛知県内では
もう存在しません。
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補修のためのアルゴン溶接機です。簡単なフィン欠けや穴埋めに
使ってます。この作業は費用抑制よりも時間短縮でしょうか・・・。

・・
・・・
・・・・・・つまり、外注費用がかさむと言うことは当然そこに利潤を
乗っけて請求書を作らなければいけないので、結果レストア費用
が大きく膨らんでしまうということですね。
 もう何年も前ですが、自分が独立したての頃に何とか安くて調子
よくてキレイなZはできないものか・・・って毎日考えてました。その
結果今のスタイルになっただけのことです。当時は今よりお客様に
近い考えと目線を持っていましたのでそう考えたのでしょう。
・・・もちろん今でもその考えは変わっていませんが、歳とともに頑固
で融通の利かないオヤジになりつつあるような・・・気を付けます。
 

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